アクション

【イコライザー】「圧倒的に強い」だけじゃない。深い人物造形【感想】

出典:映画.com

終始一貫して圧倒的に強い。

温かい心を持ち、常に冷静でピンチにも動じない。

そんな魅力的な男と鮮やかなアクションを味わってスカッとしたい人は、デンゼル・ワシントン主演の『イコライザー』がお勧めです。

アクションものをあまり見ないぼくでもこの映画はとても楽しめました。面白いですよ。

面白いポイント

  • 主人公が優しくて強くてかっこいい
  • それでいて人物造形に深みがある
  • 静と動が効いたしぶいアクション
  • しびれるセリフが随所に出てくる

こんな人にお勧め

  • 映画を見てスカッとしたい人
  • ヒーローものが好きな人
  • 単純なアクション映画が嫌いな人
  • デンゼル・ワシントン、クロエ・グレース・モレッツが好きな人

前半までのあらすじ

(上の動画は予告編です)

舞台はアメリカ・ボストンの郊外。大型スーパーで働くマッコール(デンゼル・ワシントン)は“頼れるアニキ”として同僚からの信頼は厚く、ささやかながらも穏やかな日々を送っていた。

しかし彼の顔にはなぜか時折、憂鬱な表情が浮かぶ。

不眠を抱える彼は深夜、24時間営業のレストランで読書をしながら過ごすのが日課だ。そこで出会った娼婦アリーナ(クロエ・グレース・モレッツ)と小説の成り行きについて雑談を交わすうちに心を通わせるようになる。

アリーナは歌手を夢見てロシアからアメリカに渡ってきた少女だが、ある日、客とトラブルを起こしたことがきっかけで元締めのロシアンマフィアから激しい暴力を受けて入院する。

彼女の痛ましい姿を見たマッコールは単身、マフィアのアジトに乗り込む。

「彼女を解放してほしい」

貯金を渡して要望を伝えたものの一笑に付されたマッコールは、マフィア5人を19秒で瞬殺したのだった。

描写が丁寧で人物造形が深い

優しくて強くてかっこいいい。

なんだかんだ言っても、多くの人はこんな人物に魅力を抱くのでは。

デンゼル・ワシントンが演じるマッコールはまさにそんなキャラクターで、警備員をめざす肥満の同僚に食生活のアドバイスを送り、彼の筋力トレーニングに付き合ってやり、彼の母が営む飲食店が火事にあった後は無償で店の手伝いをしてあげます。

過去の経歴を生かした戦闘技能は抜群で、平然とした表情でマフィアや汚職警官をあっという間に倒します。

ここまで書くと単純なスーパーヒーローなんですが、この映画が一味違うのは、描写が丁寧で人物造形に深みがあること

一人暮らしのマッコールはささやかな夕食を食べた後、食器を洗った後にシンクの水滴を一粒も残さずにきれいに拭き取ります。

レストランには自宅にあるティーバッグを持参し、テーブルの上のナプキンを自分の気に入る位置にさっとずらします。

そしてなぜか、折々に自分の行動にかかる時間を腕時計で計測します。

こんな描写が要所で挿入されているので、「気さくで優しい人」だけではなく、「几帳面で不可解な行動をとる謎めいた男」という印象が冒頭で見る者の頭に刷り込まれ、マッコールという人間への興味を引き立てるのです。つかみがうまいんですね。

しかも、マッコールは相手を始末すると決めたら容赦がない。

頸動脈をナイフで切り裂き、目にショットグラスを突き刺し、電動ドリルで後頭部を突き、コルクスクリューで喉をぶち抜く。

その殺しっぷりは狂気的とも映るもので、いつも眠れない彼がマフィアを殺した夜は速やかに眠れてしまうことも彼の業を物語っています

遠目からさりげなく描かれているシーンですが、この映画の中でも実に見事な、人間を描いた場面です。

人物像が一面的ではなく、重層的であることが『イコライザー』の大きな魅力なんですね。

静と動が効いたアクション

「アクション映画」とは言われるものの、実はそれほどアクションシーンが多くないのも『イコライザー』の特徴の一つ。

スーパーでの同僚との日々やアリーナとの交流、過去に関わりのあった人物との再会などにも場面が割かれていて、そんな風に日常が丁寧に描かれているからこそ、一層、暴力が際立つ仕組みになっています。

日常が“静”、アクションが“動”として両輪がうまく機能しているんですね。

さらにアクションも一味違っていて、彼は争いの場に武器を持ち込みません

自分がいる環境と敵が持つ武器を見定めてそれらを生かしながら相手を殺す展開を一瞬で想像し、敵の武器を奪ったり、道具を武器化したりして相手を殺していくわけです。当然、単調なアクションにはなりませんから、見る者を飽きさせません。

そしてこの映画のアクションの最もにくいところは、マッコールが一度も走らないこと

アクション映画で主人公が全く走らない映画って珍しくないですか?

どんな窮地に陥っても、顔色一つ変えない。敵と争っているときもすたすたと歩きながら対処していくマッコールの姿は凄みを感じさせますし、徹底して「走らせない」設定を施したことがこの映画のアクションにおける大きな魅力になっています。

下の動画では今作での最初のアクションシーンが描かれています。

「あと30秒でお前は死ぬ」随所に出てくる名セリフ

マッコールはおしゃべりなキャラクターではありません。

だからこそ、一つひとつの言葉に重みがあり、随所にしびれるセリフが出てくるのもこの映画の面白いところ。

ぼくがいいなと思ったものを抜粋しますね。

「君はなりたいものになれるんだ」

完璧より前進を

「将来は歌を歌い、ドーナツ店を開くさ」

「16秒だ」

「あと30秒でお前は死ぬ」

雨を祈ったらぬかるみも覚悟しろ

「お前の部下には殺す前に機会を与え、彼らは決断した。お前にも与えてやる。礼はいい」

「私は悪いことをしてきた。誇れないことを」

「あの自分には戻らないと私は愛する人に誓った。だがお前は例外とする」

「お前は何者だ」「みんな知りたがる

クロエ・グレース・モレッツも良い(エロい)

イコライザーのクロエ・グレース・モレッツ出典:映画.com

娼婦役のクロエ・グレース・モレッツ(当時は17歳)もいいです。

この記事を書くに当たって知ったんですが、この人、『キック・アス』のヒット・ガールを演じた女優だったんですね。

インタビュー記事によると、娼婦役を演じするために10~15ポンド(5、6㎏)体重を増やしたそうですが、それが功を奏したのかむっちりとした肉感があり、けばけばしい化粧も相まっていい具合に“場末の娼婦感”が漂っています

ミニスカートやホットパンツの下からのぞく太ももにちょっと下品なエロスがあっていいんですよね。

上の動画は今作でのクロエ・グレース・モレッツを特集したもの。デンゼル・ワシントンが「彼女は“持っている”女優だ」とインタビューで答えています。

それと、アリーナの同僚として出演しているヘイリー・ベネット(下写真)も切れ長の目が印象的なとてもきれいな女優です。

出典:海外ドラマboard ※『イコライザー』内の彼女ではありません

彼女たちを見たい人にも『イコライザー』はお勧め。

ちなみに「イコライザー(equalizer)」は「均一化するもの。平等をもたらすもの」という意味で、この映画では「悪を討ち、平穏をもたらすもの」のようなニュアンスで使われているそうです。